新刀期における姿の変遷



新刀期の刀の体配を分類すると以下の四通りに分類できる。但し以下に列挙した刀工の中には、複数の時代にわたって作刀している者も多く、その場合は体配も二様を示す事になる。

以下に示した刀工は一つの例であり、これ以外にも存在することは言うまでもない。


  1 慶長体配

  南北朝時代の大太刀を磨上げたような印象の姿で、身幅は広い。
  先幅は元に比べて狭くならずに張る。 
  切先は延びて、大切先になるものが多い。

     堀川国広にその典型を見る。 





  2 寛永体配

  身幅は尋常。 元先の身幅に差があり、物打ちの幅が落ちる。 
  反りは寛文体配より深い。 
  切先は延びずに、寛文体配より詰まる印象がある。

      親国貞の晩年作、

      出羽大掾国路、 

      初代国助、 

      尼崎国幸、 

      弘幸

      和泉守兼重、 

      播磨守輝広





  3 寛文体配
 
  反りが浅い。 
  先幅が元幅に比べて目立って狭い。
  切先は延び心。

       長曽祢興里、三善長道がその典型である。





  4 元禄体配

  反りが深い。
  切先は延びずに、ふくらが張る。 
  先幅はあまり落ちない。  
  地の肉置きが豊かである。 総体に豊饒な印象がある。

       紀充、

       一竿子忠綱、

       照包 (晩年作)

       水田国重、

       筑前信国重包

       主水正正清、

       一平安代、



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